フレンチパラドックスという言葉があります。フランス人は脂肪を含んだ食事を多くとるのに、心血管疾患が少ないという結果からフレンチパラドックスと言われるようになりました。(脂肪分を多く摂取すると動脈硬化が進行し、心血管系疾患を来しやすいと考えられています)
今日の話題は、健康にワインとオリーブオイル、ナッツが関与しているというお話です。2013年にNEJM(New England Journal of Medicine; その後に2018年に修正報告)に掲載された報告です。NEJMは医学会ではかなり有名な雑誌で、世界的に影響力があります。この研究では、①エクストラバージンオリーブオイルを補った地中海食、②ミックスナッツを補った地中海食、③脂肪摂取の削減を助言された対照食を食べた人たちを約5年間追跡しました。結果は、オリーブオイルやミックスナッツを使用した地中海食が心血管系疾患の発症を抑制したというものでした。また、この研究では、ワインの量の記載はありませんでしたが、適量を摂取するとされていました。
また、フレンチパラドックスという言葉が最初につかわれるようになった論文も紹介しておきます。ワインに含まれるポリフェノール(特にフラボノイド)が、血小板凝集の抑制や抗酸化作用を通じて、冠動脈疾患を予防している可能性が述べられています。
Wine, alcohol, platelets, and the French paradox for coronary heart disease – PubMed
ワインを片手にオリーブオイルを含んだ料理、ナッツを味わう。とても素敵な時間ですね。他にもワインが心血管疾患を抑制する報告が複数あります。一方で大量摂取により、癌や事故が増えたとの報告もありますので、ご注意を。
コメントを残す